タロとジロは、1958年(昭和33年)の第1次南極地域観測隊に同行した樺太犬15頭のうちの2頭です。
観測隊は悪天候のため急遽撤退を余儀なくされ、15頭の犬たちを南極に置き去りにせざるを得ませんでした。救出に戻ることができないまま時が過ぎ、犬たちの生存は絶望視されていました。この出来事は日本国内で大きな悲しみをもって受け止められました。
翌1959年(昭和34年)、第3次観測隊が南極に到着すると、タロとジロの2頭が約1年間の極寒の南極大陸を生き延びていたことが確認されました。他の13頭は死亡もしくは行方不明でした。
ジロはそのまま南極に残り観測隊とともに活躍しましたが、1960年に南極で病死しました。剥製は国立科学博物館に収蔵されています。
タロは1961年に帰国し、故郷の北海道・旭川市旭山動物園で余生を過ごし1970年に死亡。剥製は北海道大学に収蔵されています。
この感動的な実話は1983年に映画「南極物語」として映画化され、高倉健・渡瀬恒彦主演で大ヒットしました。後にハリウッドでも「Eight Below」としてリメイクされています。
タロとジロの生還は、極限状態における生命力の強さを示すとともに、置き去りにせざるを得なかった隊員たちの苦渋の決断とともに、日本人の記憶に深く刻まれています。